最近の大相撲では、大関や横綱が休場で不在の場所が増えた気がします。怪我が付き物のスポーツですから、ある意味仕方がないところもあります。力士も万全な状態で土俵に上がりたいし、不甲斐ない相撲を見せたくないと思うのだと思います。最終的な目標は横綱になる事だと思いますが、横綱になるにはどうすればよいのか調べて見ました。
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そもそも横綱とは
横綱とは、大相撲の力士の番付における最高位の称号。
横綱だけが腰に締めることを許されている白麻製の綱の名称に由来するらしいです。
大相撲初代の横綱は誰だっだのでしょうか?
大相撲初代横綱は栃木県宇都宮市出身の明石 志賀之助(あかし しがのすけ)関らしいです。
明石 志賀之助は江戸時代前期の人で、日本相撲協会が2015年現在で初代横綱に認定しております。
明石 志賀之助は相撲の技に関しても多く研究し、四十八手の技を考案した人物とも言われているらしいですが、明石 志賀之助が実在したのかは定かではない感じです。
実際にデータが残っている最初の横綱は1789年11月、江戸深川・富岡八幡宮での興行で生まれた、谷風梶之助 (たにかぜ かじのすけ)。
横綱の資格を考案したのは、相撲の行司を家業とし、「家元」のような存在だった吉田司(よしだつかさ)家。
当時の横綱は、大関の中でも特に強い力士に与えられる「名誉の資格の称号」だったそうです。
その後、地位が明確になったのは1909年とのことです。
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大相撲の横綱になるには
横綱になるにはどんな条件が必要なのでしょうか。
大相撲の横綱審議委員会が定める横綱推薦の内規は次の通りです。
1.横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること。
2.大関で2場所連続優勝した力士を推薦することを原則とする。
3.第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、出席委員の3分の2以上の決議を必要とする。
4.品格については、日本相撲協会の確認に基づき審議する。
「品格」については、次の内規を基準として判断する。
1.横綱に推薦する力士の品格は、次の事項を基準としてその良否を判断して行う。
相撲に精進する気迫。
地位に対する責任感。
社会に対する責任感。
常識ある生活態度。
その他横綱として求められる事項。
2.品格の確認は、上記基準につき当該力士の日常生活の観察および師匠の証言等により判断して行う。
3.協会は、確認にあたり判断した状況を添えて、委員会に横綱推薦を諮問する。
と言う感じです。
成績は当然ながら、相撲に取り組む姿勢、普段の言動まで手本となる人でないといけないのですね。
横綱昇格時の事件
横審の内規が制定されたのは、本場所が年6場所制になった1958年(昭和33年)1月6日である。
内規の項目は色々ありますが、きっちりした数値を明記していないのが盲点で、「〜準ずる成績」の部分が拡大解釈され、2場所連続優勝を果たさなくても横綱に昇進する例が続いた時がありました。
1986年に一度も優勝経験がない双羽黒光司が横綱になりました。ただ、横綱になって直ぐに当時の師匠(立浪親方・元関脇・安念山)らとトラブルを起こして引退してしました。
わずか1年で引退してしまったとこと、原因がトラブルとのことで、「安易に横綱にした!」と批判がすごかったそうです。
こんな問題があったため以降は厳しく審査されるようになりました。
割を食ったのは、第63代横綱の旭富士です。
旭富士は何度も横綱推薦の諮問を見送られた末に、大関で2場所連続優勝を果たして横綱に昇進。
ちなみに、旭富士から第70代横綱の日馬富まで8横綱は全員、「大関で2場所連続優勝」で昇進している。
第71代横綱の鶴竜と第72代横綱の稀勢の里は連続優勝していないが横綱に昇進している。
大相撲の横綱になるには、すごいハードルがあるのですね。
横綱になったら神様みたいな存在なのでしょうね。
横綱昇進前3場所成績は
横綱昇進前の成績は次の通りです。
◎は優勝、◯は優勝同点、△は優勝次点、四股名は昇進時
優勝は昇進時での通算。
昇進場所 | 四股名 | 3場所前 | 2場所前 | 直前場所 | 3場所合計 | 勝率 | 優勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1951年 | 千代ノ山雅信 | 11勝4敗 | 8勝7敗 | 14勝1敗◎ | 33勝12敗 | .733 | 3回 |
1953年 | 鏡里喜代治 | 11勝4敗 | 12勝3敗△ | 14勝1敗◎ | 37勝8敗 | .822 | 1回 |
1954年 | 吉葉山潤之輔 | 14勝1敗△ | 11勝4敗 | 15戦全勝◎ | 40勝5敗 | .889 | 1回 |
1955年 | 栃錦清隆 | 9勝6敗 | 14勝1敗◎ | 14勝1敗◎ | 37勝8敗 | .822 | 4回 |
1958年 | 若乃花勝治 | 11勝4敗 | 12勝3敗△ | 13勝2敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 2回 |
1959年 | 朝汐太郎 | 14勝1敗◎ | 11勝4敗△ | 13勝2敗△ | 38勝7敗 | .844 | 4回 |
1961年 | 柏戸剛 | 10勝5敗 | 11勝4敗 | 12勝3敗◯ | 33勝12敗 | .733 | 1回 |
大鵬幸喜 | 11勝4敗△ | 13勝2敗◎ | 12勝3敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 3回 | |
1964年 | 栃ノ海晃嘉 | 11勝4敗 | 14勝1敗◎ | 13勝2敗 | 38勝7敗 | .844 | 2回 |
1965年 | 佐田の山晋松 | 13勝2敗△ | 13勝2敗△ | 13勝2敗◎ | 39勝6敗 | .867 | 3回 |
1970年 | 玉の海正洋 | 13勝2敗◎ | 10勝5敗 | 13勝2敗◯ | 36勝9敗 | .800 | 2回 |
北の富士勝昭 | 12勝3敗△ | 13勝2敗◎ | 13勝2敗◎ | 38勝7敗 | .844 | 3回 | |
1973年 | 琴櫻傑將 | 9勝6敗 | 14勝1敗◎ | 14勝1敗◎ | 37勝8敗 | .822 | 4回 |
1973年 | 輪島大士 | 11勝4敗△ | 13勝2敗△ | 15戦全勝◎ | 39勝6敗 | .867 | 2回 |
1974年 | 北の湖敏満 | 10勝5敗 | 13勝2敗◎ | 13勝2敗◯ | 36勝9敗 | .800 | 2回 |
1978年 | 若乃花幹士 | 13勝2敗△ | 13勝2敗◯ | 14勝1敗◯ | 40勝5敗 | .889 | 1回 |
1979年 | 三重ノ海剛司 | 10勝5敗 | 13勝2敗△ | 14勝1敗◯ | 37勝8敗 | .822 | 1回 |
1981年 | 千代の富士貢 | 11勝4敗△ | 13勝2敗△ | 14勝1敗◎ | 38勝7敗 | .844 | 2回 |
1983年 | 隆の里俊英 | 12勝3敗△ | 13勝2敗△ | 14勝1敗◎ | 39勝6敗 | .867 | 2回 |
1986年 | 双羽黒光司 | 10勝5敗 | 12勝3敗△ | 14勝1敗◯ | 36勝9敗 | .800 | なし |
1987年 | 北勝海信芳 | 11勝4敗 | 12勝3敗◎ | 13勝2敗△ | 36勝9敗 | .800 | 2回 |
1987年 | 大乃国康 | 15戦全勝◎ | 12勝3敗△ | 13勝2敗△ | 40勝5敗 | .889 | 1回 |
1990年 | 旭富士正也 | 8勝7敗 | 14勝1敗◎ | 14勝1敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 3回 |
1993年 | 曙太郎 | 9勝6敗 | 14勝1敗◎ | 13勝2敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 3回 |
1995年 | 貴乃花光司 | 11勝4敗 | 15戦全勝◎ | 15戦全勝◎ | 41勝4敗 | .911 | 7回 |
1998年 | 若乃花勝 | 10勝5敗 | 14勝1敗◎ | 12勝3敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 5回 |
1999年 | 武蔵丸光洋 | 8勝7敗 | 13勝2敗◎ | 13勝2敗◎ | 34勝11敗 | .756 | 5回 |
2003年 | 朝青龍明徳 | 10勝5敗 | 14勝1敗◎ | 14勝1敗◎ | 38勝7敗 | .844 | 2回 |
2007年 | 白鵬翔 | 10勝5敗 | 13勝2敗◎ | 15戦全勝◎ | 38勝7敗 | .844 | 3回 |
2012年 | 日馬富士公平 | 8勝7敗 | 15戦全勝◎ | 15戦全勝◎ | 38勝7敗 | .844 | 4回 |
2014年 | 鶴竜力三郎 | 9勝6敗 | 14勝1敗○ | 14勝1敗◎ | 37勝8敗 | .822 | 1回 |
2017年 | 稀勢の里寛 | 10勝5敗 | 12勝3敗△ | 14勝1敗◎ | 36勝9敗 | .800 | 1回 |
出典:wiki
過去の横綱昇進前の成績を見ると、貴乃花がダントツで優勝回数が多いですね。
貴乃花も横綱昇進が何度も見送られたと記憶しておりますので、その関係かもしれません。
また、日馬富士は意外にも2回連続全勝優勝だったのですね。
大相撲の横綱昇進までの流れ
番付編成を所管する審判部が、力士を横綱に昇進させたいと判断した場合、理事長は審判部長からの要請を受けて横綱審議委員会に力士の横綱推薦について諮問する。
横綱審議委員会からの答申を受けて理事長は臨時理事会を招集し、理事会において横綱昇進について決議し、正式に昇進の可否を決定する。
現行規則では理事会は横綱審議委員会の「決議を尊重する」となっており、理事会が横綱審議委員会の答申を覆した例はないため、横綱審議委員会の答申を受ければ昇進は間違いないようです。
横綱降格はあるの?
通常の振る舞いのなかで横綱降格はないです。
ただし、横綱の降格が起こり得る唯一のケースとして、日本相撲協会寄附行為施行細則に定める協会所属員への懲罰としての番付降下処分が行われる場合がある。
横綱になるにはどうすればよいか書きましたが、横綱は常にトップでなければいけない存在です。
勝ち続けることの難しさ、精神的なプレッシャーは相当なものでしょうね。
稀勢の里が引退を表明しましたが、一般人には分からない色々な事があったのでしょうね。
お疲れ様までした。
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