各スポーツ界で活躍している選手の収入はどれくらいなのでしょうか。野球選手はよく契約更改のニュースが流れるのでイメージが付きやすいのかと思いますが、大相撲界では懸賞金と言う言葉をよく聞きます。その懸賞金とはどのようなものなのか、若手のホープ遠藤はどれくらい懸賞金をもらっているのか調べて見ました。
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大相撲の懸賞金とはどのようなもの
懸賞は大相撲の取組で勝った力士がもらえるもので、幕内力士の場合1回の取組で1本につき6万2000円が協賛する企業・団体から提供されます。
懸賞を出すと、その日の大相撲会場入場者全員に配られる取組表に印刷され、取組直前には場内放送で読み上げがあります。取組に懸賞金がかけられた場合、土俵の回りを呼出がスポンサーの企業名や商品名が書かれた懸賞旗を持って回るが、この懸賞旗は、スポンサー企業が制作して持ち込むことになっている。
懸賞旗 寸法 横70cm×縦120cm
賞金 15回 930,000円(1回あたり62,000円)
(平成26年4月改定。五月場所より)
懸賞金6万2000円のうち、5300円は日本相撲協会の事務経費(取組表への掲載費、会場内の懸賞提供アナウンス費及びその際の企業・団体名含め15字以内のキャッチコピー費)、2万6700円は納税充当金として日本相撲協会が獲得者本人名義の預り金として天引きするので、勝った力士は懸賞1本当たり手取りで現金3万円となります。納税充当金は 年末調整時に納税額の不足が生じて追加徴収が行なわれる場合はここから充てられます。この余剰金は引退時に本人に還付されます。
同一企業が一つの取組に対し、複数の懸賞をかけることもできます。その場合は、全く同じ懸賞幕・場内放送が複数回連続で流れることもあります。
複数の懸賞をかけた例で有名なのは、日本ツアー中のイギリス歌手のポール・マッカートニーが平成25年11月場所でアルバム『NEW』の宣伝のために臨時で提供したものがあり、その際も「ポール・マッカートニー『NEW』発売中!」という文言が5回続けて放送された。
企業では森永製菓、清酒大関、毒掃丸、三光丸、イチジク浣腸、豊商事、クリナップ、高須クリニック、タマホーム、伯方の塩、フローラ(HB-101及びニオイノンノ)等が懸賞を出しています。
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大相撲の懸賞金はだれが一番?
横綱戦や人気力士との対決になるとかなりの本数の懸賞がかけられていますが、どれくらいかかっているのでしょか。過去の記録などはどうなのでしょうか。
横綱、大関の取り組みや人気力士の取り組みでは、やはり多くの懸賞がかけられます。平成17年9月場所千秋楽結びの一番、朝青龍vs栃東では当時史上最多となる49本の懸賞がつきました。懸賞の数が多くなると、制限時間の間懸賞の垂れ幕が土俵を回り続けることになり、仕切りの緊張感を殺ぐという意見が出たため、平成18年1月場所からは1つの取組につき50本(東京場所は森永賞を含めて51本)までという制限が設けられることになったそうです。それでも勝てば、50本×3万円で150万円が手に入る計算になります。ものすごい金額ですね。
平成18年9月場所千秋楽結びの一番、朝青龍vs白鵬において初の51本の懸賞がかけられました。逆に2008年1月場所で謹慎処分明けの朝青龍の取組にかけられた懸賞は、たったの2本でした。平成27年1月場所千秋楽では、白鵬が最多記録となる33度目の優勝を決めた場所ということで懸賞依頼が殺到し、緊急措置として60本(森永賞を含めて61本)の懸賞が設けられ、現在ではこれが懸賞最多記録となっております。これはすごいです!61本×3万で183万が手に入ることになります。
それでは過去の懸賞金本数の記録を見て見ましょう。
□取組別の懸賞金本数の記録は次の通りです。
- 1位:61本 白鵬 – 鶴竜(平成27年1月場所千秋楽)
- 2位:51本 朝青龍 – 白鵬(平成18年9月場所千秋楽)
- 3位:50本 白鵬 – 朝青龍(平成21年9月場所千秋楽)
- 3位:50本 白鵬 – 朝青龍(平成22年1月場所千秋楽)
- 3位:50本 白鵬 – 栃煌山(平成27年1月場所初日)
- 3位:50本 白鵬 – 日馬富士(平成22年3月場所千秋楽)
※27年1月場所の白鵬-鶴竜戦は特例による上限(50本)解除。
※懸賞50本は、片方(両方)に横綱がいる場合のみの取り組みを記載。
ほとんどが千秋楽で記録が出てますが、平成27年1月場所は初日に50本が出ており珍しいケースではないでしょうか。
□場所別の懸賞金本数の記録は次の通りです。
- 1位:1776本 平成27年5月場所
- 1位:1625本 平成27年1月場所
- 2位:1509本 平成27年7月場所
- 3位:1381本 平成26年9月場所
- 4位:1374本 平成27年3月場所
- 5位:1198本 平成26年1月場所
※平成27年1月場所には50本の上限が特例として解除された一番がある。
□場所別の懸賞金本数の個人記録は次の通りです。
- 1位:545本 白鵬(平成27年1月場所)
- 2位:515本 白鵬(平成22年11月場所)
- 3位:473本 白鵬(平成23年1月場所)
- 4位:429本 白鵬(平成22年9月場所)
- 5位:416本 白鵬(平成24年7月場所)
※記録は平成3年5月場所以降、平成27年1月場所現在。
※平成27年1月場所には50本の上限が特例として解除された一番があります。
やっぱり白鵬はすごいですね。
平成27年9月秋場所千秋楽までの大相撲懸賞金獲得上位10名(日刊スポーツより)
順位 | 力士名 | 本数 | 賞金額 |
---|---|---|---|
1 | 鶴竜 | 439 | 2489.1 |
2 | 照ノ富士 | 251 | 1423.2 |
3 | 稀勢の里 | 215 | 1219.0 |
4 | 遠藤 | 153 | 867.5 |
5 | 琴奨菊 | 130 | 737.1 |
6 | 隠岐の海 | 78 | 442.3 |
7 | 嘉風 | 68 | 385.6 |
8 | 妙義龍 | 65 | 368.6 |
9 | 豪栄道 | 62 | 351.5 |
10 | 栃煌山 | 60 | 340.2 |
大相撲 遠藤の懸賞金はどれくらい?
平成27年9月場所では前頭7枚目の遠藤ですが、人気は大関、横綱級です。その分懸賞金もすごいのでは。
平成25年の通算本数は43本
平成26年の通算本数は515本
平成26年の内訳(初=80 春=72 夏=85本 名古屋=110本 秋=35 九州=133本)
ちなみに、平成26年大相撲九州場所成績の成績は西前頭筆頭8枚目/10勝5敗 懸賞金 133本でした。
懸賞の獲得本数は入幕後2場所で43本だったが、初場所だけで80本。入幕3場所で100本を超え、1990年代に当時大人気であった若乃花、貴乃花兄弟の入幕5場所より早く達成してます。
平成27年秋場所15日間の指定懸賞本数で、遠藤が幕内トップの279本であることがわかりました。先場所と比べると95本増加し、前回の東京場所である5月の夏場所と比べても82本増加と大幅にアップしてます。本当にすごい人気ですね。これまでの「永谷園」「財宝」など10社に加え、今場所から新たに「高橋書店」「東日本旅客鉄道」が遠藤を指定して懸けた模様です。やっぱり日本人を応援したいですよね。
懸賞金は勝てばその場で1本3万円をもらえますので力士にとっては当然力が入りますよね。タニマチ(後援者)が個人的に懸けるケースもありますが、それはまれなケースで、ほとんどが企業の宣伝のために人気の高い力士を選んで懸けています。ちなみに、幕内で2番目に多いのは照ノ富士の181本、3位は稀勢の里の174本。結びの取組を指定して懸ける企業も多く、白鵬は146本で幕内4位とのことでした。
平成27年9月場所の遠藤の成績は8勝7敗でぎりぎり勝ち越しでしたが、懸賞金は153本で賞金額は867.5万でした。今回は白鵬や日馬富士が休場でしたが、第4位の賞金額で、稀勢の里を除けば大関陣より上です。これはとてもすごいことだと思います。来場所はもっと成績を上げて賞金額も上がってくるとうれしいですね。これからも応援しています。
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